ロバート・アルトマン監督。実はそんなに好きな監督ではないのですがこれは楽しめました。映像も綺麗です。作品解説をみてサスペンス物と勘違いして観ると期待はずれします。劇中の殺人事件はあくまで手段であって、監督の描きたかったところは執事や召使いたちの生き様、貴族たちの傍目から観れば華かしいが実は虚しい日常…というところでしょうか。
アガサ・クリスティ的と言う人もいるようですが、自分には?です。アガサ的というならば「名探偵ポアロ」の大ファンである自分は後半出てくる警部にもっと活躍して欲しかったんですが、(そしてポアロみたいな名探偵も出てくる)、映画の中で事件自体がどうでも良い(くはないんですが)扱いなので印象も薄いままおわってしまいます…。
アルトマン監督、有名バレエカンパニーの映画も撮っていますが、これもバレエというよりも、劇団がどうやって運営されて行くか?という舞台裏の話でバレエみたさに観た人達(自分も)には散々な評価だったようですね。ボブ・フォッシー監督の「オール・ザット・ジャズ」や、「センター・ステージ」のほうが面白かった。
どうやらこの監督は物事、事件の裏側にある世の中の仕組み、それにまつわる人生劇というのが好きみたいですね。
最後に作品の話に戻りますが、登場人物が多くその人たちの人生が「錯綜」しますのでややこしいですが観終わったあと、後日印象が薄れないうちに是非アルトマン自身が語る「音声解説版」でもう一度観る事をお勧めします。更に作品が楽しめますよ。
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